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2005年8月号 |
『郵政民営化』 |
国会議員にならせて頂いてから、25年の歳月が経過を致しております。この間、立法府において審議、採決に参加し、施行された法律は数々ありまして、いくつあったかと、法律を数える気もないほどです。しかし、国会の中でこれだけの騒ぎになりながら、有権者の関心がこれだけ低かった審議というのは、私の記憶にはありません。与党自民党の票が本会議の席上で割れた例は、私が代議士稼業をもって生業とするようになってからは、3回あったんじゃないでしょうか。大平内閣不信任案採決で、福田派の議員が欠席したために不信任案が可決され、衆議院は解散、総選挙になりました。その次は、選挙制度改革で「中選挙区制」から、現在の「小選挙区比例代表制」に変更する話しの時で、当時自民党は河野総裁の下で、結党以来初の野党をやっていました。そしてもう一回は、野党第一党の自民党が野党第二党の社民党党首村山富市氏を抱えて、衆議院において首班指名を画策した時です。いずれも前例のない決断でもあり、自民党を二分するような大騒ぎになったのは、今でも記憶に残っているところです。
さて、今回の郵政民営化の話しですが、小泉総理は小さな政府を目指し、「民」で出来ることは「民」で、をスローガンに掲げ、自民党総裁選を戦い抜き、総裁・総理になってから、これまで参議院2回、衆議院1回の国政選挙で、郵政民営化を自民党のマニフェストに掲示してきたんですから、今更その公約を実行しようとする話しを内側から崩しにかかるのは筋から言って通らない話しではないでしょうかね。
他方、「郵政事業が民営化されたら、田舎の郵便局は、経営の合理性から見て、儲からない局から潰されるのではないか・・・」という素朴な疑問を、地方選出の議員さんからよく質問されます。ご存知かと思いますが、全国には2万4678の郵便局があります。市町村合併が進みこの2年間くらいで、約1350の市町村がなくなりますから、郵便局も現在の法律からいけば、その分だけ減っても法律違反にはなりません。しかし、地方の実情を考えてみれば、村役場に代わって、お年寄りの登記や住民票の行政サービスの代行をするシステムを作っておかないと、地域住民の利便が大変悪くなりかねません。
また、恩給やその他の仕送りをする金融機関もなく、農協も合併等によって金融サービスを中止するところが出てきているため、生活していく上で、郵便局の金融サービスがなくなる地域は大変不便なことになり、生活コストも高くなるのではないか・・・とのご心配もあります。
これらの点は、私達が最も考えたところでもあります。
そこで、郵便貯金銀行や郵便保険会社は、郵便局会社と代理店契約を一括で結んで頂くことにしました。従って、山奥の郵便局が赤字だったからといって閉鎖になるのではなく、その赤字分は都市の郵便局の黒字で補えばよいことになります。つまり約2万4600の郵便局の合計が黒字になっていれば、簡単に潰す必要なんてないことになります。ちなみに公社化されて2年が経ちましたが、郵便配達事業のみで年間、約250億円の黒字が計上されているのが現状です。
但し、郵便は毎年、葉書や手紙が減ってきて、Eメールやインターネットにその役を取られつつあります。従って、これから先を考えれば、今の内に手を打っておかなければ、国鉄の時と同じように、毎年何兆円もの赤字を税金で補填(ほてん)することになりかねません。そこでNTTの時と同様に、黒字のうちに民営化して経営の自由度を増し、将来に備える必要があると私も思います。
しかし、役人とか学者とか、自分で商売というものをしたことのない輩は、現在やっている商売だけを前提として計算するから、先行きは悪くなる見通しになるんです。民営化されて経営の自由度が増せば、新しい分野での商売が可能になります。幸い、生田郵政公社総裁は「商船三井」の出身者で、労働組合の意義も力も知っておられ、海外事業展開にも明るく、希望を持っておられる。この人を公社の総裁に迎えられていたのが、今回の民営化にあたっての、最大の当たり人事だったと、私は確信します。
字数が限られていますので、郵政民営化の要約した話しを、マスコミ論調からは別の視点で書いてみました。問題は、この政策の中味の話しもさることながら、小泉内閣のやり方が気に入らないから反対・・・と言う方々なんです。
この夏、8月のお盆頃まで国会会期は延長され、参議院で郵政民政化法案が否決されたら、衆議院は解散になりますので、その時は、この嘉麻の里、来月はお休みさせて頂きますことを、あらかじめご挨拶しておく次第です。
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