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嘉麻の里
2006年11月号 『総 裁 選 挙』
  去る9月20日は私の66才の誕生日でしたが、この日に自由民主党総裁選挙の投開票が行なわれました。この選挙は、自民党所属の国会議員、衆参403名にそれぞれ一票。そして全国47都道府県支部連合会所属の党員約106万7000人に300票。合計703票の過半数を獲得した候補者が総裁に選出される仕組みです。地方票は各都道府県連に、先ず3票ずつ割り当てられますので、47をかけますと141票が基礎票になります。300票からその基礎票141票を引いた残りの159票は、各都道府県の党員数で比例配分されますが、一番多いのは東京の12票、二番は茨城県の11票。ちなみに福岡県は6票で、一番少ないのは沖縄県の3票です。そして、各都道府県で各候補者の得票数をドント方式で配分する制度になっています。
 さて、今回の総裁選は「麻垣康三」という造語がマスコミにて作られたころから注目されてきました。途中、福田康夫先生が不出馬を表明されましたので、結局3人で戦うことになりました。「麻垣康三」以外にも意欲を示された議員も数名おられましたが、結局、推薦議員20名を集めきれず断念されました。
 私は、自由民主党という政党は政権与党ですから、開かれた国民政党であるべきだと常々思っております。従って誰も対抗馬が出ないから、小沢さん一人で無投票再選となった民主党の党首選びを見ていると、他に人材はいないのか・・・と考えてしまいます。そこで、安倍候補独走とか、当選確実だから不満があるけど出馬しないというのは如何なものかと思った次第です。
 反小泉と言っておられた方も多くおられました。それなのに、小泉政治を継続する安倍さん支持を戦わずして派閥で決め、しかも政策発表の前にそれを表明することは私には納得できませんでした。私は小泉改革に賛成する所も多くありましたし、まだまだ改革を継続しなければならないという面も多いと思っています。従って3年前の総裁選には出馬しなかったのです。しかし今回は、敵味方をハッキリ区別して事を進めてきたこの5年半で、自民党の地方組織や長い間支援してもらっていた団体がかなり壊されてしまいましたので、そろそろ一本化を図り、一丸となって野党と戦うべき時に来ている。そのためには同じ派閥出身で、幹事長や官房長官として小泉総理を支えてきた若い安倍さんより、郵政民営化に反対した方々と接触の機会も多く、経験も多い麻生の方が、今の自民党や日本のためになると思っての出馬決意でした。
  結果はご承知のとおりです。この総裁選を通して私は、知らない自分を発見した思いがあります。私は昔から特技を問われたら、「バアさんと芸者にモテること」と答えることにしていました。ところが、秋葉原を始めとする、この総裁選の遊説で、私の演説が聴衆に受けました。それがインターネットで配信されたころから、麻生人気が急に出始めたんです。その理由は、よく分からないというのが正直なところです。
  多分、マンガやポップミュージックといった若者向きのサブカルチャーに詳しい永田町の“ちょい不良(ワル)オヤジ”といったイメージが出来上がっていったんだと思います。話の仕方も他の候補と違って「秋葉原駅前、自称オタクの皆さん!」といった口調で切り出したのも、受けた理由の一つかなと思っています。
 12日間の選挙期間中、大阪の茨木、北海道の札幌、神奈川の厚木、さらに東京は秋葉原の他、巣鴨の地蔵通り、数寄屋橋、浅草の雷門で街頭演説をやりましたが、エライ騒ぎになりました。「鳥取から今日も来ました」なんていう真面目な人も登場したり、掲げられたゲートフラッグ(プラカード)に「とげぬき麻生」とか「地震 雷 火事 麻生?」などとあり、そりゃ賑やかでした。「年増にモテる麻生」から、「インターネット愛用の若者にもそこそこ受ける麻生」が出来たらしく、私にとっては、これまで知らなかった新しい麻生太郎を発見させられました。結果は残念でしたが、選挙プロの予想を越えて、67票もの地方票を頂いて2着につけ、外相も再任ということになりました。
 就任早々に安倍総理の訪中訪韓を成功させ、一仕事終わったと思っていたら北朝鮮の核実験騒ぎ。まったくもって心の休まらない日が続いています。しかし外交は国家の危機を極少化する手段の一つです。与えられた仕事をキッチリこなし、捲土重来を期したいと思っています。是非次回はインターネット上だけでなく、党員・党友になって応援して下さいますよう、お願い申し上げる次第です。


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