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嘉麻の里
2006年6月号 『文化外交の新発想』
 このほど「無形遺産条約」が発効しました。日本が長い間先頭に立って進めてきた国際条約です。わが国の無形文化財や人間国宝を保護する仕組みに似た制度を、世界に広めていこうとするものです。伝統的な「わざ」や、形のないもので、保護を必要とする文化遺産の多くは発展途上国にあります。日本は消えてなくなりそうな言語の世界地図を作るなど、いろいろなことを率先して進めてきた実績を持っています。
 私は昔から、日本の文化を世界に広める方法の一つにアニメやコミックの活用があると思っています。戦後アメリカの「ポパイ」というマンガがテレビで人気となり、日本の子供たちに「アメリカの水兵さんは人が良くて力持ち」だという印象を強く植えつけました。また「ブロンディ」というコミックも新聞に連載され、姑に気を使わず、夫婦と子供だけの郊外型一戸建てで電化生活を満喫する世界を、日本の主婦たちの夢とさせました。戦後日本に、民主主義や自由平等の精神的土壌が醸成されていったことに、これらのアニメ類が大きく貢献したことは否定できません。
 考えてみれば日本だってたいしたものです。アニメの世界に、鉄腕アトム、ドラえもん、鉄人28号などのロボットが続々登場して、大ヒットしてきました。ロボットという言葉のルーツをたどると、チェコ語で「労働」とか「苦役」というマイナスの意味を表すのだそうです。ところが日本のロボットたちはみんな「人間が困った時に助けてくれる優しい友だち」、つまりロボット、イコール善玉という見方が社会全般に根付きました。そのせいで産業用ロボットは何の抵抗もなく各産業分野に採り入れられ、生産性の向上をもたらした上、広く世界に輸出されていることはご承知のとおりです。こういう風土を作ったのは、マンガ文化の大いなる業績だろうと、私は常々思っております。
 世界はどんどん民主化し、国民の世論が外交に与える影響が大きくなっています。ごく普通の人が作る世論に、一国の外交が大きく左右される時代になってきたのです。外交はブランドイメージの競争となっていて、外交官の占有物ではありません。広く日本文化に携わる人たちの協力を頂きながら、ニッポン印のブランドを磨いていきたいと念願しています。
 日本のブランド力は決して弱くありません。最近、米国の某大学と英国の国営放送BBCが「良い影響力を持つ国はどこか」というアンケートを行ったところ、調査対象33か国中、31か国が日本を挙げたという事実があります。ダントツの1位です。また国を一種の企業とみてブランド力を計る調査を英国の専門家がやったところ、日本は7位、ドイツの次でフランスの上、アジアからは唯一の10位以内という結果が出ています。
 日本の現代文化をもっと積極果敢に売りこんでいく、そのためには民間と外務省が役割分担を明らかにして上手な互恵関係を築いていく、更にその延長上に伸びていく新しい文化外交をオールジャパンの取り組みにする、という前提に立って、最近考えていることの二、三を披露してみます。
 第一は、最近外務省内に設けた「海外交流審議会」(会長:トヨタ自動車張富士夫副会長)に、英語によるテレビの海外放送を、現状より思い切って増加することを積極的に進める方法を検討してほしいとお願いしました。近代日本は、シェークスピアやベートーベンなどの西洋文化を糧に成長してきました。しかし今では、マンガやアニメ、あるいは日本食や相撲といった日本製の文化が世界の人々、とくに若い世代の糧になっています。それをテレビの画像に乗せて生かさない手はありません。
 次に日本語教育の抜本強化です。日本文化を外国に広めていく王道は、日本語学習者を増やすことです。国際交流基金の調べでは、平成2年に98万人だった世界の日本語学習人口が、平成15年には235万人と倍以上になっています。日本語能力試験を受けやすくし、各国に模範的な日本語教室を設けたり、標準教科書を作るなどして、日本語教育の伝道師としての国際交流基金の再出発を望んでいます。
 外務省は言わば、日本最大の国際企業で、大使館、領事館などを海外支店とすると、その数116か国、189拠点に上ります。そこでマンガのノーベル賞的なものを創設、世界の気鋭作家を発掘するのも一案でしょう。世界に夢を売り、ニッポン印を磨いていく手助けを皆さんも考えてみて下さい。


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