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嘉麻の里
2007年8月号 『マ ン ガ』
   マンガ、劇画、漫画・・・・いろいろ言い方はありますが、皆さんマンガは日本語と思っておられることでしょう。しかしマンガはMANGAとなり、世界で共通する世界語のひとつになりつつあります。SUSHI(寿司)、TSUNAMI(津波)と同様に、原語は日本語ですが広く使われる単語として、カラオケなどと同様にどこでも通じる単語になりつつあります。
 こんなことを書くと「また麻生の奴は自分がマンガ好きだから、勝手なことを言ってやがる」と思われることでしょう。しかしフランスではマンガの売り上げが出版市場で無視できない規模になり、ついに2004年、フランス国立出版社協会の統計にMANGAというカテゴリーが初めて設けられるまでになっております。
 昨年、ポーランドの外務大臣が訪日された際の私へのおみやげはポーランド語版の「犬夜叉」でした。犬夜叉を知らない方は、子供か孫に尋ねてください。「少年サンデー」という週刊誌に載っているマンガとして必ず知っていますから。ポーランドにおいても、日本の漫画が売られているという事実は、私の感性に響くものがありました。
 そこで、日本から発信している文化というものは、何も歌舞伎だ、能だ、狂言だ、ばかりではないのではないか。マンガ、ポップ、ファッションはいずれもジャパニメーション、J・POP、J・ファッションの3J(スリージェイ)として広くアジアに浸透しているではないか。アメリカの月刊誌TIMEでも「ポケットモンスターやビデオゲームなどの日本のソフトが席巻しつつあるのが、昨今アジアの文化情勢だ。日本はハードの国だけではなく3Jによって、ソフトの面でも大きな存在に成りつつある」と書いたのが、4年前の話です。
 日本のサブカルチャーがこれだけ認識されているということです。そこで日本発のマンガがこれだけ広く愛され、読まれ、そして受け入れられているのなら、その影響を受けてマンガを書いている若者が世界には一杯いるはずだ。その人たちはある意味で日本文化の伝導者でもあるので、この際日本で表彰したら、よい刺激になって、さらに日本文化の普及の一助にも成るのではないだろうか・・・・と考えたのが、外務省で「国際漫画賞」を創設した理由です。
 言い出したとき、役人はもちろん、マスコミの反応も「冗談云うな」という感じでした。ところが、世界26カ国及び地域から146点の応募がありました。最終選考には19の作品が残ったんですが、南米、ヨーロッパからの作品もありました。その作品の中から日本マンガ界の巨匠というか大御所的存在の先生にも参加して戴き、厳正な目で選ばれたのが今回の選定過程です。
 日本国内より海外からの反応が大きかったのは「自由と繁栄の弧」を日本の外交方針として提示した時と同様でした。この賞を授受したといって、ノーベル賞のように1億円もらえるわけではありません。日本に来る往復の飛行機代、滞在費は日本持ちですが、各作者をその気にさせたのがアキハバラ(秋葉原)ご御案内と、講談社などのマンガ製作会社の現場見学等々だったのが大事な点です。
若い外国人作者にとって、オタクのメッカ、アキハバラに行けるというのが、大きな意欲になるんです。われわれは日ごろ、外国人からどう思われているかといったたぐいの、他国の評判をえらく気にする傾向があります。他方、日本の評価が高いと、それを妙に卑下しようとする。マンガなんて・・・・とか、ポップミュージックはどうも・・・・とかいうんです。
 評価するのは外国人であって、あなたご自身の評価なんて関係ないんです。考えてみれば「浮世絵」も海外で評価されて、日本での値打ちが上がりました。われわれは海外で評価されたいと思って、マンガやカラオケ、回転寿司を開発したのではありません。単に好きだから、オタクになって一生懸命作成に没頭していたら、世界中に売れて評価されたと言う話でしょう。最初から海外進出を考えてやった訳でもないでしょう。是非日本からの発信というものを、もう少し広い目で見て、自信と誇りをもって発信し続けて行きたいもんです。


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