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講演・論文
2007年3月9日 落選時支えた角栄元首相の“言葉”

 この3月に議員生活25年の永年勤続表彰を受けることになりました。これもさまざまな場面でご支援してくださった皆様方のおかげと、心から厚く感謝しております。
  振り返ればいろいろ思い出などもありますが、強烈な記憶として残っているのは2678票差で落選した1983(昭和58)年12月の第37回総選挙でしょうか。約1カ月半前の11月3日、私は鈴木善幸元首相の娘と結婚したわけですが、亭主になっていきなり無職になるわけですから、そりゃあー正直言ってかなり落ち込みました。そんなとき、立ち直るきっかけをくださったのが田中角栄元首相でした。
  あれは翌年の1月ぐらいのこと。まったくの偶然ですが、ある料亭の廊下で田中先生とバッタリ出くわしたんです。すると「ちょっとこっちに来い」といきなり部屋に連れ込まれ、あの独特の口調で「なんで落ちたんだバカ! 祝い事を選挙の前にするヤツがいるか」と始まったんです。
  こっちだって、選挙がないと思ったから結婚式をあげたわけですが、田中先生は「お前何票足りなかったんだ」と聞いたうえで、こんな話をされました。
 「いいかよく聞け。選挙は当選したら(候補者の)すべてが良かった、落選したらすべてが悪かったというが、そんなバカなことあるか! お前、悪 くても8万票もとったんじゃねえか。みんな変えたら8万票がなくなる。みんな変えるんじゃねえぞ、変えなきゃいけねえのは8万分の2678票だ!」 
  そうか、変えなきゃいけないのは30分の1以下か。そう思うとすごく気が楽になりましてね。私には妙に説得力のある言葉に聞こえたんです。
  それから約2年半後の86年7月の総選挙。134,179票という大量得票を頂いて返り咲いた私は、田中先生のところに挨拶に伺ったんですが、会うなりずーと顔を見続ける。そして「ええなー、いい!」と頷かれたので、えらく勇気付けられたお礼を申し上げたのです。ところが田中先生、あの8万分の2,678票の話を忘れておられた。そして、「そうか、なかなか俺も良い事いうじぁねぇか」と大笑い。その明るさも極めて印象的でした。
  帰るとき、玄関まで見送っていただきましたが、「落選したことは大きな財産だと思っておけ。お前みたいなええとこの子は、そういう経験はいい」 と、またも訓示をいただいたわけです。
  確かに、落選はいい経験でした。落選した人の気持ちは落選したものでなけりゃあ、なかなか理解はできないものですし、その結果、選挙や逆境などにも強くなれました。
  よく、「麻生は順風満帆の政治家人生を歩んでいる」という方がいますが、それはほんのごく最近のこと。それまでは「冷や飯のおいしい食い方は俺に聞いてくれ」っていうぐらい冷や飯の連続でした。河野洋平先生らと宏池会を脱会して大勇会(河野派)を立ち上げたときだって、今の言葉で言えばスピンアウト。そう考えると、再チャレンジに最もあてはまる1人じゃないかと思うんですけどね。
  読者の中にもリストラや閑職への異動など、大変な場面に直面されている方々がいらっしゃることと思います。でも、人生はやり直しが利くもの。大事なのは自分の信念を持ち、明るく生きること。夢や希望を捨てないことなんじゃないでしょうか。1つの絵しか描いていないと、これがダメになるとお先真っ暗になっちゃうわけで、ここも大事なところなんだと思います。  

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