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2008年1月25日 |
『特別版』 緊急インタビュー
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株価の大幅下落が日本の景気に暗い影を落とし始めている。「日本売り」なる言葉すらささやかれているが、福田内閣は無為無策のままだ。打つ手は本当にないのか。経済通として知られる自民党の麻生太郎前幹事長が連載コラム『日本の底力』の緊急インタビューに応じ、株価・景気回復策について「税制を変えて、サラリーマンの給料を上げるべきだ」と直言した。
――福田政権誕生以降、東証1部の時価総額が一時、100兆円以上も吹っ飛んだ
「日本の経済のファンダメンタルズは決して悪くはない。今回の世界同時株安にしても、サブプライム問題が弾けた米国の影響が大きいが、半年間で株価が3割も下がったことを政治家は極めて重く受け止めなくてはならない」
――景気への影響は
「個人株主の資産が3割も減った。景気は気からという。これでは景気感の後退につながっていく。日本のGDP(国内総生産)の7割は個人消費だが、それが止まれば景気も減速してしまう。『株は怪しげな物』『株に関係するのは一部の人たちだけ』というイメージを持っている政治家がまだいるようだが、今や日本は巨大な資産国家になっている。だからこそ、マーケットに対しては最大限の注意を払っていかねばならない」
――サブプライム問題の発信源・米国は対策を打ち出している
「米政府がマーケットを重要視していることを示していると言える。しかし、日本で同じ対策が可能かといえばそうではないだろう。ただ、日本も景気感を後退させないよう、スピーディーに手だてを打っていく必要がある。政治家や政党が手をこまねいて呆然とみているだけではダメだ」
――外国人投資家は日本の改革姿勢が後退したため、株を売っているという声もある
「私は『小さくても暖かくて強い政府』を目指すべきだと思うが、改革すべき所はスピーディーに改革していかなければ世界に取り残される。時代がそうなっている。ただ、何を保守し、何を改革するのか、しっかりと見極めていくことが大事だ。目指すべき国家像やビジョンを示していく事も必要だ」
――株価上昇や本格的な景気回復に向けた手だてはあるのか
「金利がタダ同然でも企業が金を借りて設備投資をしない、という前提で経済学をならった人はいないはずだ。ここ数年、日本で起きていたのはまさにこれ。対応策にしても未知の部分があるわけだが、こういう時だからこそ、まず政治家が覚悟を決めて方針を打ち出さなきゃならない」
――財政再建という課題を抱えるため、福田内閣は思い切った政策ができないのではないか
「それは間違いだ。企業の資金需要がないとき、金融政策だけで効果があがらないことは、ここ十数年の日本経済をみれば実証済みだ。景気後退に陥りそうなときは、金融政策とともに財政政策も打ち出していく必要がある。財政再建は大事だが、原理主義に陥ると橋本政権時代のように景気が後退し、税収を大幅に減らすことになる。財政再建の基本は、経済成長をもってして解決していくべきと考える」
――確かに橋本政権が消費税を上げ、景気が一気に悪化した
「あのとき、大蔵省は9兆円の税収増をもくろんでいたが、景気が落ち込み税収は前年度比マイナス4兆円となり、結果として13兆円も読み間違った。当時の経済成長率は4%ぐらいだったが、『まだ早い』と反対したのが小泉純一郎、亀井静香、麻生太郎だった。その後、日本は再び不況になったが、どのぐらいの税収を失ったかを考えると、大蔵省(現財務省)の責任は極めて重い」
――では具体的な施策はあるのか
「手段として、ただちに公共事業という話はいかにも(安直)で、政府としてまずやるべきことは減税だ。株式投資の優遇税制が今年度中にも圧縮されそうだが、 現状の優遇税制を延長してはどうか。」
――ほかには
「例えば、企業が設備投資を行いたくなるように減価償却の大幅前倒しを認める。個人が住宅を取得した場合にかかる住宅取得税などを期限を決めてタダにするという方法もある。住宅は消費に占める割合が高く、効果的な景気刺激策となる」
「住宅着工件数の激減を招いている『改正建築基準法』の運用を当分の間凍結するのも一つの方法だ。耐震偽装問題もあり、審査を厳しくするのは当然だが、申請書類のルール厳格化などで現場に混乱が生じ、住宅着工件数が著しく低下している。こういう不備が出たときは、メンツにはこだわらず、政治はすぐさま対応していく必要がある。今、挙げた政策のすべてが金を突っ込まないやり方。ちょっと考えて思いつくだけでも、これだけある」
――景気回復には、サラリーマンの給料を上げなければダメだと主張している
「景気感が悪くなると、企業としては人件費を抑えようとするだろう。だが、本格的な景気回復を実現させるためには給与アップは必要最低条件だ。やはり給料があがらないと景気感が出てこない。非正規社員を正規社員にしていくことも重要だ。今回の春闘には大いに期待している」
――やはり給与アップは効果がある
「俺の地元の筑豊にトヨタの工場があるが、非正規社員を積極的に正規社員に転換した。何が起きたと思う。ちょっとした結婚ブームが起きた。収入が安定し、将来的に収入アップが見込めるようになったためだろうが、日本人のまじめさを垣間見た気がした。給料がアップすれば、奥さんにもメンツが立つし、小遣いアップのお願いだってしやすい。ちょっとした希望かもしれないが、景気感というのはこういう所が大事なんだ」
――働きかけ方は
「何度も財界の人たちにお願いしてきたが、政策的に企業をバックアップしていく事も必要だ。例えば、企業が国際競争に打ち勝つための、法人税制にしていく事も必要だろう。社会保障制度全体を見直す中で、企業負担を軽くして、給与に回わすという方法もある」
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