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2008年2月22日 |
『政府系ファンド創設検討の価値あり』
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海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船が衝突した極めて遺憾な事故が発生しましたが、行方不明になられた漁船の乗組員2人が早く無事見つかるよう願ってやみません。
事故原因については今後の調査できちんと解明していかねばなりませんが、なによりも防衛省のトップである防衛大臣に事故の報告が1時間半も入らなかったという事は見過ごせない重大事です。
これはどんな組織についても言えることでしょうが、良い話というのは整理してから上に報告してもいいが、悪い話は分かっている事実を迅速に報告しなきゃあなりません。防衛省は国民や国家を守るという極めて重要な任務を担っているだけに、情報伝達のスピードはことさら重要になります。
私は常々、イラクなど海外で活躍する現場の自衛隊員に対する現地の評価は極めて高いと申してきましたが、これは紛れもない事実です。にもかかわらず、こうした事態が起きるということは、防衛省という組織や体制に大きな不備があるのは明らかで、そこをきっちりと改めていく必要があると考えます。
さて、前回のコラムでも書きましたが、私は年金制度を抜本改革し、基礎年金部分は消費税を原資とする全額税方式にすべきだとの提言を発表しました。今後、政策集団「為公会」とも検討し、具体的な案にまとめていく所存ですが、この提言に対してさまざまなご意見をいただきました。
その中で興味深かったのは、「老後の不安がなくなれば、個人消費も増えて景気も回復する」などといった、景気絡みのものが多かったことです。それだけ景気回復を望んでいる人が多いという裏返しなんでしょうが、国民を豊かにすることは政治家の最重要な仕事の一つです。そのためには、実現可能なあらゆる手段を講じて経済成長を目指すとともに、景気を良くしていくという明確な意思表示や努力が欠かせません。
例えば最近、政府系ファンドという言葉をよく耳にすると感じている方も多いと思います。文字通り政府が運用するファンドのことで、原資には国有資源から得られる利益や中央銀行の外貨準備などがあてられます。中東産油国のものやシンガポールの政府投資公社などが有名ですが、世界一の外貨準備を持つ中国もこのほど、資本金2000億ドルの政府系ファンドを設立しました。
日本には政府系ファンドはありませんが、ファンドの創設を目指す議員連盟が自民党に設立されたほか、金融担当相も私的懇談会で是非を検討していく考えを表明しています。いずれにしても、日本の資産を有効活用しようというのが目的でしょうが、一時、騒がれた霞ヶ関の「埋蔵金伝説」に比べても、検討する価値は天と地ほどの差があるでしょう。
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