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講演・論文
2008年5月30日 『年金問題は国の在り方から議論を 』  

   先ごろ、政府の社会保障国民会議で、基礎年金の財源をすべて税でまかなう、いわゆる「全額税方式」にした場合の消費税の引き上げ幅などの試算が公表されました。なにやら「全額税方式」を導入すると、家庭の負担がえらく増えるといった結果となっており、「これじゃあ税方式はダメだ」と思った皆さんも多いんじゃないでしょうか。
 確かに今回の試算は、一つの基礎サンプルとしては使えるでしょう。ただ、全額税方式を採用したからといって、必ずしもこの数字の通りに消費税が上がると考えるのは早計です。さらに言えば、現行の保険料方式を続けていった場合よりも、総合的な家計負担が重くなるといったこともないでしょう。
 なぜなら、全額税方式にした場合、ずさんな年金管理を行い、著しい無駄遣いをしてきた社会保険庁のような組織がいらなくなります。もちろん、年金の管理・運営や支払いを担当する人員や部署は必要でしょうが、2007年度で常勤・非常勤を併せ2万8800人もいる社保庁の人員とは比較にならないほどスリム化できます。
 さらに、無年金者がいなくなることで、生活保護を受けている65歳以上の方々が減るというメリットもあるでしょう。厚労省の調査では、2005年時点で生活保護を受けている65歳以上の人は約55万6000人おられますが、このうち52.9%の約29万4000人が無年金者だというデータがあります。
 年金の額にもよるでしょうが、こうした方々の数が減ることは、結果的に国の支出が減ることになるわけで、この点についても考慮されていません。また、軽減される企業の年金負担分の扱いという問題もあります。
 そもそも私が基礎年金の全額税方式を提唱したのは、すでに国民皆保険といった謳い文句は現実離れしたものとなっており、このままでは現行の年金制度が瓦解するのは時間の問題だと考えているからです。
 実際、国民年金の2006年度の実質納付率は49%にまで低下。制度発足当初は勤労者7、8人で高齢者1人の面倒をみる見積もりでしたが、この先は勤労者2、3人で1人の面倒を見る計算になります。
 各種世論調査によれば、国民にとっての最大の先行き不安は「年金」という名の老後の備えになっていますが、日本に元気を取り戻すには、こうした不安を取り除く必要があります。
 これからの日本は「小さくても強くて温かい政府」を目指すべきだと考えていますが、年金や福祉、税制といったものを抜本的に変える際には、個別に議論を積み上げていくやり方ではきしみがでてきてしまいます。まずは今後の国の在り方をどうしていくかをきちんと定め、そのうえで社会保障や税をパッケージにして考えていく事が肝要でしょう。
 

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